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地域実践演習3合評「地域の素材でつくる。」

地域実践演習3合評「地域の素材でつくる。」

地域実践演習3(石川)「地域の素材でつくる。」と地域実践学2(仁連)「サステナブルデザイン」の連携授業。

11月21日(木)の最終授業では、合評が行われました。

AとB、二つのグループにわかれ、流木を使った作品制作が始まってから7週間。

設計プランニングから、技術習得、実制作のプロセスを経て、11月23日(土祝)の学内マルシェでのお披露目を目指しました。

 

 

これまでの活動は下記の記事をぜひチェックしてみてください👀

「地域の素材でつくる。」「サステナブルデザイン」

https://seian-ccd.info/2019/10/11/chiikisozaisustainable/

Aチームは、チーム名「ハイカラ」。作品名「縄文時代」と名付け、ティピ型(円形型テント)の休憩所を制作しました。

 

19日のプレプレゼンでは、高さ約4メートル、直径約3メートルの三角錐の形状したティピが、6本の柱によってお互いの柱を支え合って自立しました。

ティピに吊るされた小さな流木を麻紐でつないだ装飾は風に揺られて「コン、カラン」と心地よい音を立てます。

 

快晴の秋晴れ、美しい芝生の上。琵琶湖を望むグラウンド中央にそびえ立ちました・・・・!

 

21日の合評と23日のマルシェ当日の安全対策を話し合っていたその瞬間、「バキバキ」と嫌な音!柱の一つジョイント部分が擦れ合い折れてしまいました。

Bチームは、チーム名「アウストラロピテクス」。作品名は「流木の四阿(あずまや)」と名付けられました。

 

四方に柱を立て、それぞれの柱を縦方向と横方向に支え合う構造で制作されています。

使い古しのカーテンを、屋根の代わりにした休憩所です。

さらにこちらもと手すりの棒に小さい流木をシュロ縄でつなぎ、3方向にそれを施しました。

琵琶湖側だけが手すりがなく、そこから中へ入ることができる構造になっています。

内部は土囊袋の上にシーツが引かれ、そこで寝転んで休めます。

こちらもカフェテリアの隣、琵琶湖が眺められる場所にうまく設置することができました。

そんな中、ハプニングが。

Bチームの合評シミュレーションを行っている最中、なんとグラウンド中央に設置していたAチームのティピが大きな風にあおられ、音を立てて崩壊してしまったのです。

お互いに流木の接合や補強、自立させることなどに苦労し時間をかけ工夫してきただけにBチームの合評がAチームの突然のトラブルで中断しかけましたが、合評シミュレーションを終えてから崩壊したティピの修復を自発的に両チームの学生が力を合わせて取り組みました!

 

 

11月21日(木)プレゼン合評当日

仁連先生を迎え、両チームのリーダーがプレゼンテーションを行いました。

Aチームの流木作品は前回のプレで接合部が折れて崩壊したこともあり、急遽修正を行いました。

ジョイント部のダボが折れたところから少しずらし他場所に接合し、より補強を強くするためシュロ縄を巻くことで解決を図りました。

しかし以前よりも増して湾曲した柱はその部分に荷重がかかり、前回のようにバランスよく、また内部空間を広く作れません。

様々なセッティングチャレンジを試みましたが、チーム内で話し合い21日の設置完成を断念せざるを得なくなりました。

それでもめげずに、

「問題点の確認と今できる条件からの再構築を目指し、マルシェ当日に向けてチーム内で検討する。」という発表をチームリーダーが行いました。

 

Bチームはプレ同様さらに場所へのこだわりを考え、琵琶湖が見える場所、グラウンドから作品が見える場所の2点がクリアされる場所を選んで設置しました。

Bチームは、ペースはゆっくりでしたが、着実に進めてきたことが功を奏します。

ドリルで穴を開ける人、縄で縛り補強する人、ダボのバリをヤスリで丁寧に削る人など、技術を覚えながら協力する体制が日増しに成していく姿が印象的でした。

21日も完成へとこぎつけ、チームの結束が成功へとみちびきました。

 

 

 

迎えた11月23日(土祝)学生マルシェ当日。

朝から快晴で絶好のマルシェ日和となりました!

 

早朝からマルシェの準備が行われるのと同時に、地域実践の学生も準備をスタートさせました。

Aチームは前日からティピを立ち上げ、バランスが保てるポジションに調整しました。内部空間は少し狭くなりましたが、安定した作りになりました。

お互いの柱が支え合って一定の形をキープできています。

21日のプレゼンに立ち上げられなかった悔しさと失敗の経験から、安全性を第一に確実に立ち上げるため、小さな流木も数を減らし荷重ができるだけかからないように工夫されています。

また、農作業用の麻布をテントがわりにして、全て自然素材で作り上げることに成功しました。

流木で何かをつくることがお手の物になった学生たち。

即興的に残った流木でイーゼルを作り、そこに作品タイトルを掲示しました。

大きな流木を組み合わせた個性豊かなベンチも登場しました!

 

ABチームともに、時間と労力をかけながらもイメージした流木オブジェを仕上げることに成功したと言えます。

マルシェには多くのお客さんが来学され、我々が制作した流木のオブジェ(休憩所)も多くの方々に利用していただきました。

地域実践の学生が作品の前に立ち、興味深く観てくださった方に、流木をどこで入手してきたのかや作品の思いなどを熱心にアテンドしていました。

 

目立って利用していただいたのは小さなお子様たち。

中に入り、ベンチに腰掛け、あるいは中で寝転がり、景色を眺める。

マルシェで買ったものを中で食べるなど、来場者も我々地域実践の学生もマルシェプロジェクトに取り組む学生も多いに楽しむ結果となりました!

 

 

11月28日(木)地域実践学2「サスティナブルデザイン」(仁連)の授業からは、「生命システムに学ぶデザイン」講義授業が始まりました。

前半の流木を使用した作品制作をフィードバックするところからディスカッションが行われました。

体験して様々な学びがあったことを、少し時間がたってからもう一度思い返し、それぞれのチームで発表しました。

 

以上で、流木を使った授業は終了です。

流木は自然素材なので、形がいびつで、ものづくりに慣れていない学生からは困難に感じたことでしょう。

しかし、釘などの加工製品を一切使わず、ホームセンターに並んだ形状のものではない素材でのもの作りによって、完成した作品に、各々が思うことがあったようです。

ダムや湖岸で自ら集めてきた素材から、自分たちの手で作品にして、マルシェの来場者に利用してもらうところまで。

その実体験から下記のような意見が出てきました。

 

・何もないところからモノを作り出すこと、

・人と協力し合いながら制作に取り組むこと、

・モノの大切さ、

・モノづくりの大変さ、

・作りながら考えを展開させること、

・相手を想定すること

・役割分担の重要性

・自然素材の扱い方、考え方、向き合い方(自然の造形美に対するリスペクト)

 

 

 

サステナブルな社会を考えるということは、一見難しいように感じます。

しかし、目の前にある素材に興味を持ち、行動することで、何か新しいものが誕生することを体感した学生たちは、新たな可能性を見出だし始めたように感じました。

 

 

レポート:石川亮(地域実践領域 准教授)

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