2年生、“地域の素材で”お土産づくり〜版画の技法を使って〜
こんにちは!あっという間に夏到来!ですね!
田に放たれた稲たちが、じっくり、ぐんぐん育つ季節です。
本日は、地域実践演習1「地域の素材でつくる1」二年生の授業をレポートします!
1年時は、まずは「地域を知る」をテーマに、観察・周辺地域の理解・他者へ伝えることを重視し、授業に取り組んでいきました。
2年生からはレベルアップ!「地域の素材とは何か?」をテーマに、地域企業と関わり合いながら、社会の現状、社会におけるものやサービスの価値を理解し、1年時に鍛えた観察眼を使って、リサーチ、分析、制作、発表をしていきます。
2年生の最初の課題は、“版画”の技法を用い、“地域の素材”を使って“お土産”をつくる。
・4月 フィールドワーク先を選ぶ
・5月 個人フィールドワーク(リサーチ・素材集め)・「版画」入門(リサーチ報告・事前学習)
・5,6月 制作・発表(素材の解釈・実践・制作)
このような流れで、学生たちは課題を進めていきました。
それぞれ、紹介していきます。
・5月 フィールドワーク報告・「版画」入門(リサーチ報告・事前学習)
学生たちはゴールデンウィーク中に、個人フィールドワークを行いました。今までは決められていたフィールドワーク先ですが、今回は自分で選択します。
自分の興味のある分野や気になるものがある地域をそれぞれで選びました。
1年生まではグループワーク(二人一組)で課題に取り組んでいたので、今回一人で歩いてみると、見えるもの・感じることに違いがあり、新鮮な活動になったのではないでしょうか。
「一人だと、楽しめるかなあ…」と個人フィールドワークを不安がっていた学生がいましたが、後日「こんなの見つけました!」「この景色よくないですか??」と、とっても楽しそうにフィールドワークの報告をしてくれました。
チームでの楽しみも、個人での楽しみも見つけられたみたいでよかった!
個人での楽しみ方(地域の見方・素材の見つけ方)が、チーム制作になった時に活かし合えると良いですね。
版画制作に入る前に、まず印刷・版画の歴史を学びます。
自分が取り組む課題に関する、歴史・技術・素材について学ぶことを大事にしています。
常に、今自分が取り組んでいることの目的や意味、それに付随するものたちを思いながら、ものづくりを進めていきましょう。
学ぶと、作る時の気持ちに、学び・自分で考えたことの思いが加わるので、出来上がるものに深みが出るなと私は感じます。
2年生のみなさんも真剣に聴講。
講義の後は、フィールドワーク先でどんなものを発見したのか、何が気になったのか、どんなお土産をつくろうかなど、先生と相談。次は制作に進みます。
・5,6月 制作・発表(素材の解釈・実践・制作)
▶️ある学生は魚拓に挑戦。選んだ地域は大学近辺。
実際に自分の手で釣った魚を使って、ヒレや鱗、輪郭が出るように、何度も刷り直して挑戦していました。
自分の理想とする形を作るためにかける時間、大事ですね。
「これでいいや」ではなく、「こうしたい!」「こういう意味をこめて、この形にしたい!」など、考えながら手を動かしていきましょう〜!
そして、作品制作には試作や練習がつきもの。思っている何倍も時間がかかります。
何にどれだけ時間がかかるのか、作品制作を重ねて、スケジュール管理もできるようになると良いですね。
発表では、何度もおこなった釣りの最中に出会った“生き物たち”を紹介していました。
中には「こんなの街中にいるの!?」とびっくりな生き物も。長い時間過ごしたからこそ出会えたんですね。
同じ場所でも、回数を重ねて何度も訪れたり、時間帯、行き方(道)を変えてみることで、新たな発見があります。自分との対話の時間、思考の時間も深まります。
今後のフィールドワークでも、一度だけでなく、何度も足を運んで研究を進めていきましょう!
木版画制作の様子
▶️こちらの学生が選んだ地域は大津市膳所。
事前調査で気になっていた、膳所にある老舗の和菓子屋さんをピックアップ。
お店のショッピングバッグで使用されている亀のイラストや、亀を甲羅で表現して、木版画で刷っていました。
グラデーションをつけてみたり、実験しながら楽しんで制作を進めていました。
プレゼン発表の様子
プレゼンテーションで使用する、完成作品の写真もこだわって撮影していました。
授業では、作品制作だけでなく、それを伝えるための資料も用意します。主に、パワーポイントを使用してTV画面に映して発表を行います。
作品自体も素晴らしかったですが、制作した背景や、伝えたい空気感をフォントや写真などでデザインして発表していたところもナイスでした!
「作る」「伝える」の2つがどんどん磨かれていますね…!
学生のプレゼン資料の一部
▶️選んだ地域は中山道が通る宿場町、醒井。
醒井を歩き、自然の素材をたくさん集めてきたそう。
素材の「湧き水」「草花」を使って、なんと紙を制作!
木版画を彫って、紙を作って、刷って、製本。
とても手の込んだ作品です。
学生のプレゼン資料の一部
地域の素材をたくさん発見して、上手に組み合わせていました。組み合わせ方、繋げ方で個性が現れていきます。
▶️選んだ地域は近江八景「瀬田の唐橋」で有名な瀬田。
瀬田を歩いて見て、「瀬田川ぐるりさんぽ道」が気になったそう。
この散歩道は川沿いを歩きます。柵がないところもあり、「夜に歩くと危ないのでは?」という想像から、夜道を照らす行燈を作成。
和紙、そして骨組に“ヨシ”を使用。
昨年ワークショップイベントで使用した、研究室に置いてあったヨシです。
先生に相談する中で「これが使えるのでは?」と提案を受け、使用していました。
すぐになんでも購入できますが、一度立ち止まって周りを見たり、アンテナを張って歩いてみたり、人に話をする中で素材が見つかるかも!
作りながら、体を動かしながら、制作を進めていきましょう。
次回からは高島市針江地区で「地域の素材で作る」の授業がスタートします!
地域で活躍するキーパーソンに話を聞き、地域の仕事の体験を通して、学んでいきます。
お楽しみに!
レポート:井上 実奈美(地域実践領域 アシスタント)