
「放生」とは?三井寺・千団子祭りで出会った亀と命のつながり
みなさん、こんにちは!
小満の候、いかがお過ごしでしょうか。
こちらのブログでは、滋賀の魅力や成安造形大学 地域実践領域の学生の日々の学びと活動を発信しております。
いきなりですが、毎年5月中頃の土日に滋賀県大津市にある天台寺門宗の総本山・長等山園城寺(ながらさんおんじょうじ)、通称 三井寺で開催される『千団子祭り』をご存じですか?
名前の通り、千本のお団子をお供えするお祭りですが、その由来は、
当領域教授の加藤先生が以前の地域実践領域ブログで詳しく書かれているので、ぜひこちらをチェックしてください↓
2025年度は、5月17日(土)・18日(日)に開催され、18日からは、当領域の3年生の実習もスタートしました。
地域実践領域では、カリキュラムの特徴として3年次に独自のインターンシップ制度「大学と企業が一緒につくる 共創型インターンシップ」を掲げています。
学生たちは1,2年次で学んだことを念頭に、自分の興味関心のあること、社会に出て実践したいことをイメージしながらインターンシップに参加します。
今年は、2名の学生が三井寺さんで前期後期の通算4ヶ月お世話になります。
そこで、今回は私、領域アシスタントの吉村が初めて、三井寺そして『千団子祭り』の見学に行ってきました!

今回の千団子祭りで特に私が見学したかったのは、社前の放生池で行われる「亀の放生(ほうじょう)」です。
千団子祭りは、子どもの無病息災や安産を祈る行事で、
同じく「亀の放生」も子どもの健やかな成長を願って同日に行われていました。
放生とは、捕えられた生き物を自然に放すことで、それを「放生会」(ほうじょうえ)と言って、生き物の殺生を戒め、功徳を積み、その結果として商売繁盛や家内安全などを祈願する仏教行事の一つであります。
仏教行事とはいえ、江戸庶民にとっては、堅苦しい意味ではなく、身近な信仰のイベント的存在でした。
各地に放生会をしている神社仏閣はいくつかありますが、
ここ三井寺では、亀の甲羅に墨で子どもの名前と年齢を書き、僧の方に祈祷をしていただき池に放つことで、子どもの無病息災を祈願します。
実はもう一つ「鯉の放生」も行われていますが、実習生のレポートによると、その日の1日のうち「鯉の放生」は2件しか依頼はなかったそうです。
三井寺の放生会では、亀の放生の方が人気があるようですね。

イシガメは准絶滅危惧種で年々少なくなってきてるので、三井寺ではイシガメの保護・育成もされているそうです。
亀の放生は、受付をして、亀の甲羅に子どもの名前・年齢を書き入れてもらい、亀に祈祷とお線香をあげてから、お供えのお麩と一緒に、滑り台を滑って、池に返されます。






今回は、三井寺・千団子祭りで同時に行われている「亀の放生会」についてレポートをしてみました。
千団子祭りの由来は、鬼子母神が子どもの神様であることから、子どもの無病息災を願う庶民のお祭りとして親しまれてきました。
鬼子母神様や、亀さんに子どもへの想いを託して、お父さんやお母さん、おばあちゃんやおじいちゃんがそれぞれにお祈りをする姿から、日本の神仏への畏敬の念と、家族を大切にする気持ち=家族愛を垣間見ることができました。
三井寺での実習生のインターンシップの様子は、またこちらのブログで紹介しますね。
お楽しみに!