地域の「これから」を描くには・・・
地域実践領域のアシスタントによる授業レポートです。
2年生の前期『地域実践学1』『地域実践演習1・2』は、地域をシステムの視点から捉え可視化していく方法について学びました。
授業では滋賀県琵琶湖環境科学研究センターから講師として金 再奎先生・木村 道徳先生・岩川 貴志先生をお招きしています。先生方は滋賀県琵琶湖環境科学研究センターで「琵琶湖流域管理システム」や「再生可能エネルギー」に関する研究に携わり、その調査から滋賀県内の市町村とまちづくりを行っておられます。
そういった現場での実体験から“システム”をつかむための授業が行われています。
ここで言う“システム”とは、相互に影響を及ぼしあう要素から構成されるまとまり、制度や組織、体系といったもののことです。
例えば、大学もシステムです。大学の学生や教員、事務員がいて、互いに影響を及ぼし合う要素から構成される関係性の総体。これら全体をさしてシステムといわれます。ただし単独で存在する学生、教員、事務員はシステムではありません。
システムとは何らかのつながりを示しているものです。
『地域実践学1』は“システム”の基礎となる考え方を身につけ、関係図として可視化できるようになることを目指したカリキュラムとなっています。
●では、なぜ“システム”が必要なのでしょうか。〈地域実践学1〉
環境や社会の課題は、様々な要因が複雑に絡み合って起きています。
そのため、課題の一部だけを取り出して考えてみても、シンプルな解決方法を見つけることはできません。そればかりかある視点からだけで提案された解決策は、また別の問題を生み出すこともあります。もしも、正しくシンプルな解決策があれば、とっくに誰かによって解決・改善されているでしょう。
複雑な出来事/構造を本質的に理解するためには、知識と経験の双方から理解することが大切なのではないか、と思います。
その上で、2年生の前期の授業では、“システム”をどのように捉えれば良いのか、次の2段階に分けて学びました。
1:“システム思考”という分析方法を身につける
2:地域をシステムの視点から分析しデザインするための手法を学ぶ
●ことわざからみる因果関係〈地域実践演習1・2〉
「風が吹けば桶屋がもうかる」
この言葉はある出来事が発生することで、一見すると全く関係がないと思われる場所・物事に影響が及ぶこと(因果関係があること)の“たとえ”です。
どうして風が吹くと桶屋さんが儲かるのか?
これは“システム”の要素間のつながりを具体例を通して学ぶひとつの試みです。
私たちの今の生活の中で桶屋さんに出会うことはなかなかありませんが、では、実生活に当てはめるとどのような例が考えられるでしょうか?
金先生と木村先生の『地域実践学1』での授業は、先生方のセンターでの研究方法や活動
疑問に思ったことがあればその場で質問できたり、
レポート:山田真実(地域実践領域 アシスタント)
次回の投稿では『地域実践演習1・2』での演習内容をレポートしたいと思います。
滋賀県琵琶湖環境科学研究センター公式ホームページ
滋賀県琵琶湖環境科学研究センターは、琵琶湖とその流域を一体のものとしてとらえ、健全な水循環、物質循環、生態系の保全といった視点から琵琶湖と滋賀の環境に関する現象の解明、行政課題に取り組むため、幅広いネットワークの形成を図りながら、総合的に試験研究を推進することによって、滋賀をモデルとした持続可能な社会の構築に貢献します。(引用 公式ホームページ内、センター概要より)