skip to Main Content
きらッと大津景観広告賞|「看板とその周辺」から堅田を探る・・・

きらッと大津景観広告賞|「看板とその周辺」から堅田を探る・・・

2020年9月17日

地域実践領域の1年生が「堅田地域とアート」のプロジェクト授業と合同で、堅田駅周辺で行われた「令和2年度 きらッと大津景観広告賞 ワークショップ※1」に参加しました。

『JR堅田駅』は成安造形大学の最寄駅である『JRおごと温泉駅』の北隣に位置します。

堅田駅から南東へまっすぐのびる大通りを歩くこと15分。

堅田内湖にかかる内湖大橋を越えて琵琶湖に到るまで、この通りから半径1kmほどのエリアが今回の現地調査フィールドとなります。

午前中は3人ずつのチームに分かれ、周辺景観との調和が図られている「優れた·面白い·ワクワクする」デザインの屋外広告物を探し(現地調査)、午後からはその調査をまとめて発表に挑みました。

※1「令和2年度 きらッと大津景観広告賞 ワークショップ」
主催:大津市都市計画課
主旨:周辺景観との調和が図れているなど、優れたデザインの広告物を掲出している個人や事業者などの団体を表彰し、景観や屋外広告物に対する市民の意識と関心を高め、まちなみの良好な景観の保全と創造を目的としている

『屋外広告物』と一括りに言っても、看板やはり紙だけでなく建物に描かれたものやオブジェとの組み合わせも調査の対象としています。
目立つ、美しい、分かりやすい、という普遍的な広告物の魅力に加えて、堅田のまち全体の雰囲気と調和しつつ、地域らしさを感じられるもの。

そんな『屋外広告物』に注目しながら街歩きをすると、ただリラックスして散歩しているのとは一味違う緊張感を感じます

テーマをもって街歩きをすると、途端に世間はシャッターチャンスだらけになったような気になります。

あれも、これも、と自分が目についたものを片っ端から写真に収めていたつもりでも、後で同じ場所を調査していたメンバーと照らし合わせてみると、ひとの数だけ視点があって見えていなかった世界が広がってくることに何度も驚いています。

また、看板の役割や機能・作り手の意図・そこに存在していた時間を想像しながら魅力的なものを選ぶ過程は、“旅人”のような立場である私たちと堅田地域との関わりを意識するきっかけにもなるように感じました。

学生の調査発表から、視点が違ってドキドキしたものを3チームだけですが紹介したいと思います!!

 

*一休さんチーム*

「観光地そのものが主役だとしたら、看板は名脇役のようだと思います。周辺景観との調和と堅田らしさが感じられる看板を選びました。」《学生のコメント》

近江八景のひとつ『堅田落雁』で知られる『浮御堂』周辺をまわっていたこのチームは、自然物を活用した看板や周りの観光施設を含む景観との関わりに特に焦点をあて、調査を行ったそうです。

ゲストの和田光平さん(滋賀県広告美術協同組合理事長、ダイワ看板株式会社代表取締役)と撮影した看板について話す学生たち

*ペンギンチーム*

学生に「壁に直接描かれているのはどこからどこまででしょう。」と聞かれてからこの写真を見ると、とたんに違った見え方が現れます。

ある一点から見るとまるで本物がそこにあるかのように見えるトリックアートを利用した屋外広告です。災害や経年劣化による倒壊の心配がなく安全なこと。

向こう側から歩いて来る人を意識し、発見者を立ち止まらせてしまう遊び心。私はまさか“絵”だとは気がつかず、通り過ぎているところでした。

*おさんぽの会チーム*

「土の種類をすべて書く思い切りのよい表示方法がとてもユニークだと感じました。…“土”という文字が並んでいることで、それが模様のように見え、とても魅力的でした。堅田の古い町並みが残る地域だからこそ、この古くからある瓦屋さんの素朴な看板の魅力が引き出されていると感じました。」《学生のコメント》

文字の配置とフォントで親密感を醸す、面白い発見だなあ、と私も唸ってしまいました。

屋外広告物に注意してフィールド全体を歩くと、堅田内湖を挟んで駅の側と琵琶湖側とのまちの雰囲気がごっそり入れ替わっているような印象を受けます。

駅側はチェーン店が並び、人通りも交通量も比較的多いので、看板も各々が自分の個性を発揮しているよう。

対して琵琶湖側の寺社や郷土資料館が連なるエリアでは、看板は全体でひとつの景観を作りつつその施設の心を示しているように思われました。

しかし、注目するテーマを別の視点に置くと、それぞれの関係性にもまた当然新しい見え方が現れるのだろうと思います。

レポート:山田真実(領域アシスタント)

Back To Top
×Close search
Search