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地域とアートが交わるプロジェクト「堅田*はまさんぽ」    〜ぱかっとひらけ!かたたのかたち〜

地域とアートが交わるプロジェクト「堅田*はまさんぽ」  〜ぱかっとひらけ!かたたのかたち〜

寒い日が続いていますね。成安造形大学のある滋賀県大津市でも、毎日凍えるような寒さが続いています。

つい先日まで感じていた秋の陽気も、まるで急ぎ足で通り過ぎてしまったかのようですね。

そんな恋慕う秋の陽気の中で、成安造形大学の学生有志による地域とアートのプロジェクト『堅田*はまさんぽ』が開催されました

地域実践領域の学生たちもチームの大きな力となってプロジェクトに参加していました。

秋の心地よい空気の中、地域とアートが交わる素晴らしいひとときが生まれた様子をご紹介します。

 


地域とアートのプロジェクト『堅田*はまさんぽ』とは

まずは、『堅田*はまさんぽ』について簡単に紹介します。

『堅田*はまさんぽ』は、成安造形大学の学生有志からなる地域とアートが交わるプロジェクトです。

会場となるのは、大学にほどちかい滋賀県大津市の堅田地区です。

地域の人の協力のもと、展覧会やワークショッププログラムを行います。

このプロジェクトでは、毎年サブテーマが決められるそうです。

今回のサブテーマは「ぱかっとひらけ!かたたのかたち」です。

日常の会話や交流、歴史、美味しい食べ物などをイベントを通して貝がぱかっと!開くように発見して欲しい、という思いが込められています。


会期中に行われたイベントの紹介

プロジェクトの会期中は、様々なイベントや展示が企画されていました。

中でも今回の見所は、琵琶湖に生息する二枚貝の「タテボシガイ」をつかったイベント。

会期中の会場で食べることもでき、私もお味噌汁をいただきました。

くせがなく、とてもおいしかったです!!


そして、もう一つご紹介したいのが、「堅田*はまさんぽマップ」という企画です。

このマップは毎年制作されており、今年のマップは特にユニークな仕掛けが施されています。

堅田地区のお店を巡りながら、各店舗の前に設置された小さなシールを集めるシールラリー型のマップです。

この企画ではそれぞれのお店の前に、堅田地区の美味しい食べ物に関する情報も豊富に掲載されており、地域の魅力を存分に楽しむことができます。地元の美味しい情報を発見しながら、街歩きを楽しめる素敵な企画でした!

(気になるお店を発見!「日曜日だけ開いているカレー屋さん」だそうです。こんなに近くにいたのに今まで知らなかったです。また研究室のメンバーと行ってみたいと思います!)


成安造形大学の学生が制作した作品を展示

そして、会場には成安造形大学の学生の作品が多数展示されていました。

その中でも、地域実践領域4年のSさんの作品を紹介したいと思います。

左《午前 0 時》〔綿布,2500×650〕
右《たゆたう》〔綿布,3000×420〕
前《午前 7 時》〔綿布,2500×500〕
後《午前 0 時》〔綿布,2500×650〕

Sさんは、「ろうけつ染め」という技法を通じて、日々の暮らしの中で感じたさまざまな想いを作品として表現されています。現在、卒業制作展に向けて、自身の暮らしに対する哲学を探求しながら、その表現をさらに深めています。

卒業制作展では、Sさんがこの4年間で積み重ねてきた努力と想いの結晶を目にすることができます。

ぜひ足をお運びいただき、Sさんの世界観に触れていただければ幸いです。

卒業制作展は、2025年2月20日(木)より、京都市京セラ美術館にて開催いたします。詳しい情報はこちら

プロジェクト実行委員に聞いてみました!

では最後に、プロジェクトに参加していた地域実践領域の学生にインタビューをしてみたいと思います。

Nさん(地域実践領域2年)
Nさんは、地域実践領域の授業でもとくにコミュニケーションや対話を得意としているという印象があります。
このプロジェクトの中でその強みがいかされた場面はありましたか?
今回、グループワークが中心でした。その際、グループワークを普段行わなかったり、得意としなかったりする人も何人かいたので、一言声をかけたり、会話を広げること等を積極的にして、グループの中に入りやすい環境を作ることを心がけました。また、会期中に会場前を通り過ぎる方や、実際来てくださった方に声をかけたりしイベントを盛り上げることができたなと感じています。

プロジェクトの開催地である堅田地区でみつけた新しいお店や、おもしろいものなどはありますか?
はまさんぽのテーマである「タテボシガイ」がはまさんぽの中で本当に面白く、重要な存在だなと思います。地域の人にとっては当たり前になっていたものをあえて今回使用しました。地元の方は、懐かしさを感じるものであったり、昔を思い出すきっかけになったり、また初めて知った人にとっては堅田を知るきっかけになったりと、人々の記憶と結びつくものでした。実際会議中に「懐かしいな」と言っている方が多く見受けられました。

今回は初めて参加してくださったお店が何店舗かありますがその中でも、カレーを販売している「TABASA cafe」さんが印象的でした。フィールドワークでお伺いした際に、カレーはもちろん美味しいのですが、何よりも女性の店主さんが気さくに会話をしてくださり、会うたび色々なお話をしてくださりました。(笑)その後もご協力いただき、会期中はタテボシガイの味噌汁と炊き込みご飯を提供しましたが、それを作る際に、お店の場所をお借りしたり、また一緒に作ってくださったりと本当にお世話になりました。TABASA cafeさんのご協力がなければイベントが成り立っていなかったと思います。

プロジェクトの中で難しかったことはありますか?また、それをどのように乗り越えましたか?
今回は、初めてプロジェクトのリーダーを努めました。これまではまさんぽのような実際に地域の方と関わりを持っての活動がなかったため、どのように進めていくべきなのか模索したり、先輩に聞いたりしていました。


Tさん(地域実践領域3年)
Tさんは、このプロジェクトのビジュアルや企画に大きく貢献していたと聞きました。そもそも、このプロジェクトの色はどのようにして決めたのですか?
堅田*はまさんぽでは最初に展示会場である堅田浜通り商店街へフィールドワークをしに行くんですが、堅田漁港に訪問した際に見つけた貝殻の山が今年のテーマの最初のきっかけでした。貝殻の正体であるタテボシガイを堅田の食文化を知るためのキーワードとして掲げ、貝がぱかっと開くようにひとつのきっかけから堅田浜通り商店街の魅力を知ってもらうテーマにしました。

 

Tさんは、3年生でインターンシップにも行っていて大変多忙だったと思います。プロジェクトと授業の両立はどのようにして行ったのですか?実際大変でしたか?
かなり大変でした。特に後期はインターンシップでの制作物とはまさんぽでの制作物のふたつを発表する期間がほぼ同時だったので、ずっとパソコンと向き合っていた記憶があります。今思えばもっと他のメンバーに頼った方が良かった…となっています。いい経験にはなりましたが、猛反省ですね…気持ち的には互いが互いの息抜きみたいな感じでなんとかやっていたつもりでしたが、そんなことありませんでした!!

 

 

このプロジェクトを選択したときに得られるもの(経験やスキルなど)はありますか?
印刷物を担当していたら自然と以前よりもDTPのスキルは上がりましたが、それよりもはるかに大学の生徒以外の教授、浜通り商店街の方々とのやりとりはとてもいい経験になりました。はまさんぽに関わって2年目ですが、去年よりも関わる人の数が増えた気がします。将来仕事をする際に得ておきたいスキルなので、このプロジェクトに深く関わると自然とコミニュケーションが身についたことが嬉しいです。

 

 

最後に筆者の興味本位で聞くのですが、タテボシガイは人気でしたか?私は初めて知ったのですが、もともと知名度があったものなのですか??
メイン会場で実際にタテボシガイを使った料理をいただく「タテボシガイタベテホシ」というプロジェクトを二日間行ったのですが、二日間どちらも大盛況でした!食べた方々はタテボシガイの存在を知らない方々ばかりだったイメージがあります。基本的に廃棄される貝なので、プロジェクトメンバーも最初は食べられるものではないと思っていたくらいです。結果的にメンバーや来場者の方々みんながタテボシガイについて知ることができて良かったです…!


このプロジェクトは、成安造形大学のプロジェクト科目の授業となっており、どの領域の学生でも受講できるものです。この取り組みを通じて、領域を超えた学生同士の交流が広がります。「気になるけれど、話しかけるのはちょっと緊張するな…」と思っていた他領域の学生とも、このプロジェクトを通じて自然に繋がることができるのも魅力のひとつです。さらに、大学近隣に住む地域の方々との交流も盛んに行われており、新たな出会いや発見を生む素晴らしいプロジェクトとなっています。

来年にはどのような企画が誕生するのか、今から楽しみです!


レポート:横山愛海(地域実践領域 アシスタント)

 

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