地域実践基礎演習2 「おうち合評やりました!」
地域実践基礎演習2「地域を知る(大学近郊農村のフィールドワーク:仰木)」
7月29日、おうち合評やりました!(地域実践基礎演習2)
7月に入ってから対面授業となり、ようやく取り組むことのできた地元仰木におけるフィールドワーク授業も最終週を迎えました。授業日の水曜日は4週に渡って奇跡的に雨が上がり、充分なフィールドワークができたと言えると思います。
上仰木、辻ヶ下、平尾、下仰木と呼ばれる4ヶ村を2~3人で1グループ、計9グループを結成してそれぞれの地域の魅力探しとそこで感じる自身の思いや考え、グループで構想したテーマ、活動経路などをまとめて発表しました。プレゼンテーションは1グループ15分の発表と5分の対話で進められました。
美術系大学における合評(通常は制作した作品を発表するなど)は、学生、教員にとっても取り組みの集大成であり、全員が発表の対象に向き合う一番大切な時間と言えます。発表作品について作者本人が自ら説明することや、現場で五感を働かせながら対話することで、新たな考え方や今後の取り組み方を考えていく「生の現場」が、合評の醍醐味と言えるでしょう。
しかし、地域実践領域では今日の状況から、オンラインでの合評に取り組むことに決めました。実は、常日頃からコロナ と背中合わせで取り組んでいることから、先週の授業(7月22日:プレゼン準備授業)ではオンラインの可能性も学生に伝えながら進めていました。当事者間ではやむを得ない判断とは言え、やはり様々な危険リスク回避を考えると当然の選択であったと考えています。
そんな中、学生たちは工夫しながらプレゼン資料の作成や発表形態の打ち合わせなどを合評前日まで行い、全グループが「仰木の魅力と気付き」のプレゼンテーションに挑戦しました。以下9グループ、グループ名、調査エリア、タイトルを発表順で紹介します。
① チーム田中(3名)平尾「平尾の魅力 見える魅力と見えない魅力」
② K君来てほしい!(3名)平尾「緑と文化」
③ 木木チーム(2名)辻ヶ下「仰木の魅力さかのぼろう!」
④ トクサツ隊(2名)上仰木「第一話 魅力を伝えるトクサツ隊」
⑤ へっぽこ探検隊(2名)下仰木「水と生きる信仰 神仏思想との同居」
⑥ お家に帰り隊(2名)上仰木「素晴らしき仰木 ~歴史と人の日常~」
⑦ チーム石田(2名)下仰木「下仰木の魅力」
⑧ KOKO-CHII(2名)辻ヶ下「“きれい”が発見できる町 仰木 小椋神社 覚性律庵をたずねて・・・」
⑨ サイズ(2名)上仰木「迷」
発表中、聞く側はワークシートに他のグループ発表の魅力をとらえ、自身の発表に対する観点の違いなどを書き込みます。自身の発表後はミニッツレポートに、計画通りに発表できたか?など、フィールドワークから得た構想、発表の振り返りを記入しました。
オンライン授業「おうち合評」の良いところは、その合評の状況を一部始終録画できること、また、授業後、一人でじっくり向き合い、振り返ることができる点です。
フィールドワーク+オンライン授業は、様々な心配がありましたが、新たな発見もあり多くの収穫があったと言えます。学生は一つのことに関わる時間が相当長くなったのではないでしょうか?一人で考えている時間が増えたことで、集中することや、先を予測すること、想像することがこれまで以上に増えたのではないかと考えています。
はじめて取り組んだ2020年度生はこれが当たり前になるのかもしれませんが、対面で授業ができる喜びやその価値が大きいものであることは言うまでもないと思います。
ウィズコロナの時代に入り、これから多くのトライアンドエラーがおこると想像します。コロナ と向き合い緊張感を持続させ、経験を積むことでよりベターな判断ができる力を身につけていきたいと考えています。
(おうち合評の録画の様子はオープンキャンパスなどの時間に見せることができたらいいなあ。と考えています。)
レポート:石川亮(地域実践領域 准教授)
成安造形大学の方針に従い、6月から徐々に対面授業とオンライン授業を並行し、感染のリスクを避けながら研究活動に取組んでいます。
地域実践領域では6月中旬から徐々に対面授業を始め、毎日の検温と体調管理、行動記録をつけて、「新しい生活様式」に切り換え、体を慣らしていきながら取組んでいます。対面授業が始まってから2週間、学生の体調をみながら、大学近隣の歴史ある集落、仰木のフィールドワークに挑みました。マスク着用は当然のこと、大学が用意した消毒スプレー(1人に一つ)を携帯して常に手の消毒をしながら、必要ならばフェイスシールド(大学が支給)も着用し、注意しています。ソーシャルディスタンスを意識し、様々な人とのより良い距離感を保てるよう日々努力しながら取組んでいます。(地域実践領域研究室)